もうSlackが嫌になった

始めに断っておくが、Slackは良いソフトウェアである。しかし、「全社的なチャットツールとして利用」した結果とそれにまつわるあらゆる負の経験から、もうあまり使いたくないソフトウェアとなってしまった。言うなれば、MSOfficeのExcelのようなものに見える。要は「使い方を間違えなければ便利」なのだが、誤った使い方が蔓延った結果を目の当たりした今、手放しで賞賛できない。

まず、大前提としてこの世にはテキストでは会話できない人というのが存在する。自分はできていると思いこんでいるが実際にはできていない人もいる。ここで「テキストで会話できている」ことをどう定義するかは結構曖昧だが、相手に自分の意図を伝えるために必要十分な情報をチャットで伝えるように文章を書ける能力がある、というニュアンスだ。

一般に、こうしたことがやりやすいケースは自分が持つ知識と相手や周囲のもつ知識が似通っているときだ。特定のトピックに興味をもつコミュニティや、会社でも、社内で類似の仕事をしている集団(同じ部署、同じ職種など)の中で活用している人たちの間では浸透しやすいだろう。

一方で、全社となると話は別だ。そこには営業職、私のようなソフトウェアエンジニア、情報システム部、役員、社長、コンサルタント、事務など様々な人が様々な目的でコミュニケーションをとっている。こうした会話は背景知識もバラバラで、言葉遣いも適切なものにしないとチャットを成り立たせるのは難しい。

そして前述のように、こういうことができない人というのは必ずいる。これはそんなにおかしなことでもなくて、人間がテキストで “会話” をし始めてからまだそれほど時間は経っていない。人間には不慣れなことのひとつだ。Eメールでも、LINEでも、Slackでもそれは変わらない。

だからこそ、Slackとは異なる手段を必ず用意しておかなければならない。話が通じていないと思ったら、ビデオ通話なり、電話なり、直接会うなりしてコミュニケーションの溝を解消していく必要がある。

上に書いたことがしっかりとできている、全社員のコンセンサスがとれている会社なら、全社でSlackを導入しても大きな問題にはならないだろう。しかし、現実はそうもいかない。

上司と部下のプライベートチャットでの業務依頼(無言の圧力)、Slack以外の補足がないがため十分に説明されない背景情報、解消されない溝。特にリモートで働いている人とそうでない人での情報格差は断絶と言ってもいいほどだ。

他にも、全く機能していないSlackによる役員の承認、作っても誰も消さない使途不明のチャネル、消える履歴、消えるファイル(このあたりは無料版だからだが)。Slackが生み出した問題は「ナウい」以外の利点で欠点以上の働きをもたらしていたのだろうか、甚だ疑問なのだ。

繰り返すが、Slackは良いソフトウェアである。Slackには何の非もない。ちょうど、Excelには何の非もないように。

僕はひとりでSlackのワークスペースを利用し、メモ用途や天気予報、RSSフィードの受信、一時的なブックマークなどの用途で利用している。とても便利だと思う。

一方、「誰かとSlackを使う」ことを考えると「ないな」と思う。もし「弊社はSlackを使ってコミュニケーションをしています!」などと求人に書いてアピールポイントにするようなら絶対に応募しない。

もはや僕には、Slackは「新しいクールなもの」には見えない。Slackを使っていることより、Slackをうまく使えているかどうかが知りたい。

自分語り専用ブログをやっていく。

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