久しぶりに外に出た話
ここ数か月、ほとんど歩いていける範囲しか移動していない。
食事処、映画館、ドラッグストア。それ以外の場所には一切行かず、ほとんど誰にも会わず過ごしている。
誰のためでもない、感染症におびえているわけでもない、ただ外に出ない日々が続いて、わざわざ出る気にならなかったというだけのことである。
昨晩と今日は、そんな日々を一時的に脱してみることにした。昨晩は友人と飲みに行き、今日はなんとなく本屋に行った。目的のない外出など、何か月ぶりかわからない。
長らく出かけておらず気づかなかったが、思っていたよりも世界は「普通」になっていた。良くも悪くも。
Twitterでしか見なかった「パーティ」をしている集団だとか、なぜかバスで歌うアイドルだとか、アプリの広告を流すトラックだとかに遭遇した。そう、街というのは情報量が多い場所だったなと思い出した。
そして出かけてみて、終わってみたら却って出かけないほうがよかったな、という気持ちになってしまった。
というか、疲れてしまった。
なんで出かけるだけでこんな疲れないといけないんだろう。マスクをつけようとか、電車では距離をとってとか、行く先々で突き出されるアルコール消毒とか。
それが不要だとか言うつもりは全くないのだけれど、こんなにも「普通」にみんなが過ごしているのに、物事も隙間にパンデミックの影が刺して、疲れちゃうんだよな。
何が問題なのか、どうしてほしいのか、別に僕の中に答えがあるわけではないし、そして感染症の基礎知識もない自分が文句をつけることも間違っていると思う。
だから、というわけではないけど、また2週間くらいは外に出なくてもいいかなぁなんて思った。正直うつらない、うつさないなんてことよりもずっと、外の世界が窮屈すぎて行きたくない。