求人を読んでいて思うこと

515hikaru
6 min readNov 23, 2019

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求人票のイメージ

わたしはソフトウェアエンジニアと呼ばれる仕事をしている。別に転職活動を積極的にしていなくても、このご時世なので一方的に送りつけられたり、登録している転職サービスからバカみたいにメールが届いたりして、求人を目にする機会は多い。

これでも一応、企業から来たものについてはほぼ全て目を通しているつもりだ。転職活動をしていてもしていなくても、基本的に目は通す。気になったら転職活動中ではなくても返信をする。情報収集をして損をすることはないし、有効求人倍率というやつが異常な値を示している昨今、基本的にどの企業に行っても歓迎される。

ちなみに、エージェントからのものはあまり読んでいない。転職活動をしていないのにエージェントに会うのはさすがに意味がわからないので。

さて、この頃求人を読んでいて違和感を覚えることがある。まず「何の事業をやっているのか、よくわからない」と思うことが多い。サービス名は挙げないけれど、エンジニア採用に特化しているサイトのほうがその傾向が強い気がする。

自分が(何の因果か)スタートアップをファーストキャリアに選んだというのもあり、経営者のミッション・ビジョン・バリューというやつが組織の基礎づけをし、夢や希望を持って働ける環境を作っていくのを目の前でみていた。だから「なにをやっているのか」、「なぜやるのか」、「誰を幸せにするのか」みたいなことをわたしはまっさきに知りたい。

しかしたいていそういうことは概要どまりだったり、下手すると社是みたいなのが書いてあるだけで、すぐに「どんなサービスなのか」、「技術スタックや利用ツールは」、「福利厚生は」みたいな重箱の隅みたいなことが書いてある。正直これを読まされて「何を判断すればいいのか」と思う。

確かにわたしも開発者である前に会社員なので、福利厚生にせよ年収のレンジにせよ、気にならないと言えばウソになる。しかし自分が正社員としてその組織の一員になる以上、その組織が何をする組織なのか一切知らないで「話を聞きたい」とは思えないし、それを知らないでわざわざその会社に出向こうとは思えない。

正直アジャイル・スクラムを実践しているかどうか、言語など技術選定がどうなっているのかについては、むしろわたしが入社をすれば当事者になるわけだし、自分がチームに入れば自分で改善できうるし、むしろそれをするために雇われるのだと思っている。

しかし経営はそうではない。入社したあとで簡単には変えられない。だから最初にその方針があっているのかを、まっさきに確認する必要があるし、そこで合わないのであればどれほどの高待遇でも、猛プッシュを食らっても断るべきである。お互いのために。

わたしは椅子やキーボードやディスプレイなんて心底どうでもいいと思っている。人間、自分が変わろうとせず環境を変えようとするのは老害の始まりであるとさえ思っている¹。基本的には無理に環境を変えるのではなく、環境に適応していくべきだ。

しかしどうやら、物理的に良い環境で働きたいエンジニアというのはそれなりに居るようで、エンジニア向け転職サービスだと椅子がどうこうとか書いてあるものもある。なんだそれ。

Slack がどれくらい活用できているのかで技術力をある程度見られる、なんて主張をする人も居る。

この人はフリーランスなので自分がその組織を変える責や理由のない立場だからこう書いているのかもしれない。

たしかに快適な環境で開発したいし、そのために努力をするなら最初から快適な環境で開発ができる組織に入るほうが楽だとは思う。

でも開発者が快適に開発ができることは、残念ながら事業がうまくいくことと直接の関係はないとわたしは感じている。開発環境は自分たちである程度はなんとかできる領域である以上、例えばGitで²ソースコードを管理していてプロジェクト管理ツールが何かしらある、くらいの状態なら、事業がうまくいってさえいれば、わたしは働けると思う。あるいは開発側のせいで事業がうまくいっていないことが明確ならば、改善のために努力できると思う。

言い換えればアンコントローラブルな領域で事業がうまくいっていない場合、わたしにできることは何もないと感じる。わたしにとってのミスマッチの正体はこれだ。

そんなわけで、わたしは会社をみるときに何より事業とそのクライアントが誰なのかを気にしている。事業がうまくいかなかったら、仮に開発がうまく行っていても何もうまくいかないのだ。

要は上記の記事のことが言いたい。

わたしが違和感を持ったのは求人票に事業に対することが書かれていることが少ない求人があったという点だけど、上の記事は優秀なエンジニアがいますとかRubyのフルタイムコミッタがいますとかいうアピールは再優先事項ではないよね、という記事だ。わたしもそれらの事柄は2の次くらいに感じる。

何度でも同じこと書くけど、ビジネスがうまくいかないと、何もうまくいかないよ。仕事をするために、お金を稼ぐために組織に入るのであって、ミーハー心を満たすためや自分の消費の代替をさせるために組織に入るのではない。

Footnotes

[1]: 念の為。腰が悪いとか事情があるならばその限りではない。気合では病気は直らない。

[2]: なんなら別に SVN でもいい。Mercurial でもいい。

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